
本当は就職をしたかった。でも、できなかった。33歳のぼくは、大切な人たちのために、一編の詩を本にすること、出版社を始めることを決心した──。
心がこもった良書を刊行しつづける「ひとり出版社」夏葉社の始まりから、青春の悩める日々、編集・装丁・書店営業の裏話、忘れがたい人や出来事といったエピソードまで。生き方、仕事、文学をめぐる心打つエッセイ。「四五歳のぼく」など新たに2篇を増補し文庫化。解説=頭木弘樹 装画=望月ミネタロウ
目次
はじめに
1 ひとりで出版社をはじめる
従兄が死んだ/室戸/仕事を探す日々/Iのこと/人生は真っ暗だ/なにかをはじめよう/一編の詩/ぼくは本をつくりたい/お前は形から入るよな/吉祥寺のひとり出版社/はじめての仕事/さあ、どうしよう/高橋和枝さん/島田くんなら大丈夫/仕事ってなんだ/その名にちなんで/文学にすべてがあるような気がした/『レンブラントの帽子』/世田谷の現代詩教室/完璧な本/和田誠さん/ひとりではなにもできない/営業に行く/ツイッターと京都/最初の本ができた! /行き詰まる日々/ぼくのしあわせ/『昔日の客』/『昔日の客』の続き/ピースの又吉さん/日々の仕事/『さよならのあとで』/表参道で会いたい
2 よろこびとかなしみの日々
『冬の本』のよろこび。その一/『冬の本』のよろこび。その二/出版社をたたみたい/町の本屋さんが好き/古本が好き/ひとり遊び/デザインについて/叫びたい/居酒屋の隅で/堀部/文芸部の同級生/敬次郎さん/沖縄に住む/忘れられない人/アフリカに行かなくちゃ/いざ、アフリカ/煙草/食べものの話/『本屋図鑑』その一。利尻島の「ほんこや」のこと/『本屋図鑑』その二。本屋さんの図鑑ができるまで/『本屋図鑑』その三。「山に囲まれた海辺の町」の本屋さん/『本屋図鑑』その四。「図鑑」にした理由/『本屋図鑑』その五。「海文堂書店」のこと/『本屋図鑑』その六。時間が止まった棚/『本屋図鑑』その七。本屋さんのこれから/ハトヤ/かなしみの場所
おわりに
四五歳のぼく(文庫版書き下ろし)
文庫版あとがき
解説 残像のいい人=頭木弘樹
本書に登場する夏葉社の本
書籍情報
著者:島田潤一郎
出版社:筑摩書房
発売日:2022/6/13
判型:A6
ページ数:336ページ
ISBN-13:9784480438225
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オススメPOINT
「ひとり出版社」夏葉社の舞台裏を綴った、店主の島田潤一郎さんのエッセイ集。青春の悩める日々、創業への道のり、編集・装丁・営業の裏話などのエピソードに現れる島田さんの生き方が、本に関わる仕事をする人もそうでない人も、自分に正直に生きよう!と背中を押される一冊です。